【警備員】交通誘導警備の仕事 : 知っておきたい一日の流れ。

警備のお仕事

警備員を始めてみようか考えている人にとって、警備員の仕事にはどんな業務があるのか知っておきたくないですか?

警備業務にもいろいろあるのですが、今回は「交通誘導警備」の仕事内容と、一日の仕事の流れをご紹介致します。

交通誘導とは

交通誘導とは、工事現場や車両や歩行者が多く出入りする施設などで、車両や歩行者を安全・円滑に通行できるように誘導することが目的になります。

実は、「交通誘導」を行う警備員には、街中で通行するドライバーや歩行者に対して、法的に交通誘導するための特別な権限を与えられていません。警備員は民間人であり、あくまでも通行するドライバーや歩行者に対して、安全に通行できるように協力をお願いするという立場になります。

一方、警察官等が行う「交通整理」は強制力があり、ドライバーや歩行者は、交通整理に従う義務があるということですね。一般的には事故や災害時などの際に、交通に影響が及んだ場合に行うのが「交通整理」になります。

「交通誘導」と「交通整理」の違いは、意外と知られていません。どちらも交通の安全を目的にしているのですが、与えられた権限と対応する事象が異なっていることは警備員として働いてみようと思っているならば、知っておくと良いでしょう。

仕事内容

交通誘導の仕事内容は、交通誘導棒や手旗などを手に待ち、安全確認をしながら、車両や歩行者の誘導を行ないます。交通誘導を行う場所によって違いがあるので、それぞれ確認してみましょう。

道路工事現場

道路工事現場の周辺で、通行する車両や歩行者の安全を確保して交通誘導します。

道路工事は車線を制限して作業する事がほとんどで、工事区間を「通行止め」、「車線減少」、「片側交互通行」の3つのケースで規制して誘導する事が一般的です。

通行止め

工事区間の道路を「通行止め」を行い、車両や歩行者を侵入させないように迂回の誘導を行います。工事区間の入口付近に警備員が立ち、車両のドライバーや歩行者に、工事による通行ができないことを説明し、迂回のお願いすることになります。

工事区間内が、車両のドライバーや歩行者の目的地や居住地の場合があり、その際は警備員による誘導で安全を確認しながら、工事区間内に車両や歩行者を誘導することがあります。

車線減少

2車線以上ある道路の一部を工事区間とする場合に、通行する車両に工事区間の手前から車線減少の合図を行い、車線変更などの誘導を行います。

工事の規模によりますが、一般的には工事区間の数十メートルから数百メートル手前から、通行する車両に対して道路工事を予告させる看板を設置し、工事区間の入口付近では警備員が交通誘導棒などで車両のドライバーに車線減少の合図を行い、車線変更などの誘導を行います。

片側交互通行

片側一車線の道路で道路工事を行う際に、一方の道路を工事規制区間だけ封鎖し、片側の車線だけで、両方向の車両を交互に通行させる交通規制になります。

両方向の工事規制区間の入口付近の路肩に警備員が配置し、一定時間や信号機のタイミングで、それぞれの警備員がお互いに合図を行い、通行や停止の意思疎通を図り、一方行ごとに車両の通行を誘導します。警備員の合図は交通誘導棒や手旗で行い、工事区間の距離が長く、視界だけで合図を確認できない場合は、無線機などを使用して意思疎通を行います。

片側交互通行は、工事開始前に工事関係者との打ち合わせと、交通誘導を行う警備員のパートナーとの事前にコミュニケーションを取っておくことが非常に大事になります。

また、上記の3つのケースの全てにおいて、道路工事現場内に工事車両が出入りすることになります。工事車両は、作業の流れで不規則に出入りしますので、工事関係者と警備員が意思疎通を行い、一般車両や歩行者を優先しながらタイミングを図りながら、工事車両の出入りを誘導することになります。

建築工事現場

建物の新築工事や、解体工事、マンションなどの修繕工事などの現場で、車両や歩行者が安全に通行できるように誘導します。

主に建築工事現場に出入りする工事車両や、建築工事の敷地内で通行する工事車両の誘導を行います。

また、建築工事現場は道路や歩道に面していることがほとんどなので、一般車両や歩行者に対して交通誘導を行う機会も多くあります。

警備員は建築工事現場の出入口に配置されるか、通行車両や通行人が多い工事作業箇所付近で交通誘導できるように配置されます。

工事車両に対しては、交通誘導棒や警笛などで誘導の合図を行い、歩行者や作業者には声かけと手振りで合図を行い誘導します。

建築工事現場では、工事の作業を気にかけながら、車両や歩行者との接触事故がないように、安全確認を行い、合図や声かけによって交通誘導すること大切になります。

車両や歩行者が多く出入りする施設

大型商業施設や、人が集まるイベントなどの駐車場周辺で、多くの車両や歩行者が出入りする際に行う交通誘導になります。

商業施設の繁忙期などは、駐車場の駐車可能台数を超え、敷地内に隣接する一般道路に渋滞してしまう場合があるため、交通を妨げないような案内が必要になります。

商業施設やイベント会場では、歩行者を優先にしながら、タイミングよく車両を円滑に何よりも安全に通行ができるように誘導することが大切になります。

交通誘導警備で働く一日の流れ

交通誘導警備で働く場合の、一日の流れをお伝えします。

以下の勤務指示内容の道路工事現場として、ご参考下さい。

勤務指示内容

<業務内容> 道路工事現場での交通誘導業務

<勤務時間> 9:00~18:00

<配置人数> 3名

8:30 現場集合

勤務指示のあった道路工事現場の集合場所に到着後、警備会社に上番報告(到着報告)を行う。

制服や着替え、交通誘導棒やヘルメットなどの装備品の準備をして、業務開始に備える。

交通誘導を一緒に行う、他の警備員が現場到着しているかを確認し、それぞれの警備業務経験や、当日の交通誘導する現場について意見交換する。

道路工事現場の責任者へ挨拶にいき、交通誘導に関する業務内容の確認を行う。

初めて勤務する現場であったため、新規入場者教育の報告書などを記入する。

9:00 朝礼~勤務開始

道路工事現場に関わる業者一同が集まり、朝礼を行う。

工事責任者よりそれぞれの作業内容、注意事項の報告が行われる。

朝礼終了後、道路工事現場の交通誘導の配置につく。

12:00 昼休憩

道路工事現場の作業員と同じタイミングで休憩できる配置であったため、昼休憩をとる。※現場によっては、警備員が1名ずつ、ローテーションで休憩をとる場合もあります。

13:00 業務再開

交通誘導の配置につき、業務再開。

17:00 工事作業終了と共に、業務終了

道路工事の場合、工事業者が「道路使用許可」の申請の時間内に作業を終えなければならないため、勤務時間より早く終わることがよくあります。

道路工事責任者に警備業務報告書にサインをもらい、業務を終了する。

警備会社に下番報告(業務終了報告)の連絡を行い、勤務終了となる。

現地解散で帰宅する。

以上が交通誘導警備の1日の流れになります。

昼休憩以外にも、工事責任者に確認してから、警備員同士で交代してトイレ休憩や、小休憩をとれる場合もあります。

まとめ

警備員として交通誘導警備で働く場合、工事現場の作業内容や状況によって、交通誘導する業務内容が大きく異なります。

車両や歩行者の安全を確保し交通誘導することが目的になりますので、業務をする現場の状況や、工事や施設の責任者や、他の警備員との打ち合わせが非常に大事になります。

交通誘導警備で働く1日の流れで、実際に働くことがあるとイメージしやすいかもしれませんので、是非、参考にしてみてください。

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